弥山北稜からの絶景を求めて

奈良県・大峰山系「鉄山」

ザンゲ平から鉄山と弥山
鉄山山頂から行者還岳から大普賢岳の稜線を望む
鉄山平から鉄山と北部の大峰主峰を望む

大峰山系の中央部にそびえる弥山の北方支稜の末端に岩峰を連ねている山…それが鉄山です。

大峯奥駆道の稜線をなす多くの主峰は有名ですが、大峰山系には、その支稜にも興味深い山々があります。鉄山もそのひとつで眺望の良さと独特な山容からこの山を愛する人も少なくありません。
春のシャクナゲ、シロヤシオ、初夏の新緑、秋の紅葉など四季折々の風景を楽しむことができます♪

2014年5月

近江の湿原に咲く花々(2)

滋賀県・金勝アルプス

ノギラン(芒蘭、学名:Aletris luteoviridis)
キンコウカ(金光花、金黄花、学名:Narthecium asiaticum )
コバノトンボソウ(小葉の蜻蛉草)
カキラン(柿蘭、学名:Epipactis thunbergii A. Gray )

梅雨から初夏にかけて、金勝アルプスの湿原には食虫植物以外にも多くの花が咲きます。
昔よりも数が減少したと言われるカキランも登山道のあちらこちらで普通に見ることができます。
また、これからキンコウカが咲き誇り、登山道は黄色に彩られます。

地味ですが、ノギランやコバノトンボソウなどを見ることもできます(^_-)-☆

2015年6月

近江の湿原に咲く花々(1)

滋賀県・金勝アルプス

イシモチソウ(石持草、学名:Drosera peltata Thunb.)
イシモチソウ(石持草、学名:Drosera peltata Thunb.)
モウセンゴケ(毛氈苔、学名 Drosera rotundifolia)
モウセンゴケ(毛氈苔、学名 Drosera rotundifolia)
ミミカキグサ(耳掻き草、Utricularia bifida)

緑豊かだった森が造営資材や燃料伐採のために一度は禿山となり、河川氾濫や土砂崩れなどの災害が多発していました。明治時代から治山事業が本格化し、今では元の緑豊かな自然を取り戻しつつあります。花崗岩を主体とした地質は、独特の山容とともに豊かな湿原地帯を形成…イシモチソウ、モウセンゴケ、ミミカキグサなどの食虫植物の宝庫でもあります。


2015年6月

難ルートの先に

弥山川・双門の滝(奈良県大峰山系)

一の滝と二の滝
一の滝の滝壺にかかる虹
木々の向こうに三の滝
双門の大滝(仙人嵓前テラスから)
双門の大滝(仙人嵓前テラスから)

大滝から三の滝、二の滝、一の滝の四滝を総称して「双門の滝」と言います。

双門の滝は、一般的な登山道としては上級者コースとして有名な双門ルートの途中にあります。
弥山川上流付近は大絶壁が切り立ち、その岩壁に深い切れ込みを入れたように落ち込む約70mの段瀑です。難ルートを登った者だけが目にすることができる貴重な滝と言えます。

近年の登山ブームで双門ルートにも多くの人が入るようになりましたが、道迷い、滑落事故が多く、特にこのルートを下ることは自治体も禁止してます。大滝を見るには、十分な技量とマナー順守が原則です。

2014年5月

金剛山の名も無き名瀑

金剛山・イワゴノ谷




大阪府と奈良県にまたがる金剛山…日本でも有数の登山者数を誇る人気の山

沢道も多く、二の滝、赤滝、鉄砲滝、丸滝、腰折の滝、妙見滝、高天滝、天ヶ滝など名前の付く滝も多くあります。そんな金剛山で、名前こそありませんが、イワゴノ谷には、名瀑と言える滝がふたつあります。金剛山では珍しく水量も豊かで迫力満点…ただ、金剛山の中では難ルートで知られるイワゴノ谷にあるため知る人は少ないようです。

2013年8月

今宵一夜の彩

ユウスゲ(夕萓)




夕方から咲き始め、あくる朝にはしおれてしまうユウスゲ

鮮やかなレモンイエローの花が夕刻の青空に映える
滋賀県の伊吹山三合目の平原に大切に保護されるユウスゲの群落があります

朝から昼にかけて登山道から見ると花期を過ぎたように感じるお花畑が、夕方下山時には鮮やかな花で覆われる…翌朝朝日が登るとともにその花の命は終わってしまいます。

他の花とは違う体内時計に従って咲くユウスゲ…これも自然の不思議ですね。

2013年8月

涼を求めて奈良の秘境

 奈良県下北山村『前鬼川』



奈良県下北山村の『前鬼の里』に流れる前鬼川

澄み切ったエメラルドグリーン…俗に「大峰ブルー」と呼ばれていますが、
ここ前鬼川では、大峰山系の中でも特に透明度が高く、その色もコバルトブルーで「前鬼ブルー」と呼ばれています♪ 釈迦ヶ岳から孔雀岳、大峯奥駆道に囲まれ、豊富な湧水が流れ込むため水温も低く、恵まれた自然を育んでいます。

硬い岩盤が長年の浸食を受け秘境と呼ぶにふさわしい景観を造りだしています。

2014年7月

大峰の深い谷

 大峰・神童子谷とノウナシ谷

釜滝(神童子谷)
ノウナシ滝 35m(ノウナシ谷)
透明度の高い沢の水

大峰山系は、隣接する山々の間に深い谷が走っています。
大普賢岳、稲村ヶ岳、山上ヶ岳などの山々に囲まれた地域は、大峰の中でも深い谷が点在しています。
神童子谷、ノウナシ谷、オソゴヤ谷、犬取谷など川迫川水系のこの一帯は、滝も多く、またその水質の良さから渓流釣りのメッカでもあります。

簡単に入り込めない場所ですが、その中には四季を通して感動を得ることができる風景が待っています。

2014年9月

美しい渓谷に魅せられて

 日本三大渓谷、日本の秘境百選「大杉谷」

堂倉滝
大峰ブルー
雄大な光滝
七ツ釜滝「日本の滝百選」

三重県多気郡大台町にある大杉谷。西の黒部、近畿の秘境とも呼ばれ、黒部峡谷とともに日本三大渓谷、日本の秘境百選の一つにあげられています。

日帰りで山を歩く私にとっては、大杉谷全行程を一日で歩くことは難しく、いつも大台ケ原から途中までをピストンしています。

深く切れ込んだ谷は、秘境の名に相応しい景勝地です♪
堂満滝から七ツ釜滝の行程にも素晴らしい滝がかかり、壮大な風景を楽しむことができます。

2015年4月

伝説の『宝剣』

稲村ヶ岳の『宝剣』



奈良県大峰山系の稲村ヶ岳には、剣が奉納されている
多くの方に知られている話ですが、明確な場所は公表されていません。

昭和二十三年建立 洞川の赤井五代松氏が世話人と記されています。
同氏は、洞川温泉の五代松鍾乳洞を発見したことでも有名

山岳信仰の地に相応しい奉納品
隣の大日山には、大日如来の祠があり、歴史を感じさせてくれる山系です。

2015年5月

大台ケ原の深い谷

大台ケ原・シオカラ谷

中ノ滝
西ノ滝
西ノ滝

大台ケ原の西側に走る東ノ川 その源流部を形成するシオカラ谷

大台ケ原は、固い岩盤地質のため長年の浸食で西部と南部は深い谷筋が形成されています。
牛石ヶ原の西端から東ノ川へ約1000mもの標高差…大蛇嵓に代表される岩壁が続く谷です。

その先のシオカラ谷にかかるふたつの大瀑布…西ノ滝、中ノ滝(日本滝百選)
滝見尾根からは、その全体を眺めることができますが、この日はその滝壺へ
日差しを浴び、絶えず虹が架かる姿…その雄大さに言葉はありませんでした。

2014年11月

何度見ても飽きない風景

 大台ケ原から見る日の出風景



奈良県と三重県の県境に位置する大台ケ原

大台ケ原に通い始めて3年 まだまだその素晴らしさの一部にしか触れていない
そんな大台ケ原で毎回楽しみにしているのが、日出ヶ岳から見る日の出
前方には熊野灘が広がり、運が良ければ富士山も見える絶好のビューポイント

日の出30分前のマジックアワーから日の出へと変化する時間
何も考える必要がない至福の時間
何度見ても見飽きることがない風景をここ大台ケ原から見ることができます♪

2013~2014年11月

山歩きのご褒美

 ナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)



「木苺」木々になるイチゴの総称

その中でも黄みがかったオレンジ色をした実をつけるナガバモミジイチゴは、山歩きの途中で見つけるとついつい口に運んでしまう山のご褒美(笑)
ほんのり甘い山の恵みに日本の自然を感じながら、のんびり山歩きするのも良いものですね。

2015年6月13日

清々しい稜線に咲き誇る白き花

 クサタチバナ(草橘)




青空と新緑…そんな清々しい稜線に咲き誇る白き花

花が小さくあまり目立たない花ですが、鮮やかな緑色の葉先にミカンに似た可愛い花をたくさん咲かせます。この季節、行者還岳はシロヤシオの花に囲まれた稜線が有名なのですが、今年はシロヤシオやシャクナゲが裏年となり、クサタチバナが主役となっていました。

2015年5月

梅雨空にささやかな彩を

イナモリソウ(稲森草)




フクジュソウ、カタクリ、ニリンソウなどのスプリング・エフェメラルが咲き終わり、空が鉛色に染まる頃…金剛山の植林地の林床に可愛い花が咲き始めます。

江戸時代に尾張の花屋の九兵衛が菰野(現在の三重県三重郡菰野町)の稲盛山で発見し名を付けたとされる「イナモリソウ」…地表に広げた緑の葉に可愛い紅紫色の花を開き、薄暗い森に彩を与えます♪

金剛山では、文殊尾根や青崩道の登山道で群生し、登山者にひと時の安らぎを与えています^^

2015年5月、6月